当院の矯正歯科

　当院には、公益社団法人日本矯正歯科学会指導医・認定医の資格を持つと同時に、先天性疾患の矯正治療を専門とするInternational Society of Craniofacial Surgery （ISCFS：国際頭蓋顔面外科学会）」のActive Craniofacial Orthodontia Member(頭蓋顎顔面矯正歯科アクティブメンバー）審査に合格した矯正歯科医が治療に従事しています。

先天性疾患、特に小耳症やお顔の半側（両側の場合もあり）が小さいなどの症状を持つ「鰓弓症候群」（別名：第１第２鰓弓症候群、へミフェイシャル・マイクロソミアなど）の方々の顎や歯列の矯正治療を、形成外科（耳、顎）、口腔外科、言語摂食嚥下治療科、および関連する他科と総合的な治療チームを組み、お一人お一人の特徴に応じた適切なチーム医療をご提供しています。

 

・治療期間

　　成長期：約２～４年

　　成人期：約２～４年

・通院回数

　　初診相談、検査、診断：３～４回

　　動的治療開始後：１～４カ月に１度

 

　　㊟　治療期間や通院回数は、あくまで標準的な目安のため、成長の具合や口腔内の状況によって

　　　　異なります。

 

・治療費

　【一般矯正歯科治療】

　矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由（自費）診療となります。

　初診相談料：無料

　検査料：22,000円

　診断料：22,000円　㊟精密検査を要する場合は、必要性を説明し別途費用がかかります。

　矯正基本・装置料：成長期　418,000円

　　　　　　　　　　成人期：935,000円　㊟成長期治療からの移行は、成人期費用から成長期費用

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　を引いた差額がかかります。

　処置料：5,500円

　その他（治療途中での必要に応じた一時的な検査や、取り外し式装置を紛失・破損した場合等）

　㊟　料金はすべて消費税10%を含んでおります。

　㊟　上記は一般的な費用です。検査・診断結果によっては、異なる費用になる場合があります。

【保険矯正歯科治療】

　矯正治療は一般的には保険適応外ですが、当院は、鰓弓症候群を含む、保険適用される「厚生労働大臣が認める疾患」に起因した咬合異常等に対して保険矯正歯科治療を行うことができる「歯科矯正診断料算定の指定医療機関」として、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生（支）局長に届け出ている保険医療機関となっています。

 

矯正装置について

　・矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さん

　　の協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。

　・矯正歯科装置は色々な素材を使用しているので、金属などにアレルギーのある方は、矯正検査の

　　時点で申し出てください。

　・矯正歯科装置の誤飲を防ぐために、装置装着時に担当医が説明する注意点を守りましょう。

歯の動きについて

　・歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。

　・歯を動かすことにより、歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。

　・ごく稀に、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。

日常生活について

　・矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般

　　的には数日間１，２週間で慣れてきます。

　・治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜まりやすく、また歯が磨きにくくな

　　るため、装置装着時に、むし歯や歯周病の予防のために指導する装置を含めた歯みがきを行い、

　　また、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。また、歯が動くと隠れていたむし

　　歯があることが判明することもあります。

　・治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。

矯正治療開始にあたって

　・矯正歯科治療は治療の最後に咬み合わせが整います。また治療開始すると元の状態に戻すことは

　　できません。

矯正治療中において

　・治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。

　・歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。

　・矯正歯科装置を外す際に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物（補綴物）の一部

　　が破損する場合があります。

　・顎の成長発育により、咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。

　・矯正治療中にむし歯ができた場合は、矯正治療を一時中断し、むし歯治療を優先することが多い

　　です。

矯正治療保定・終了において

　・動的治療が終了し装置が外れた後に、保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合わせ

　　の「後戻り」が生じる可能性があります。

　・動的治療が終了し装置が外れた後に必要に応じて、かぶせ物（補綴物）や、むし歯の治療（修復

　　物）などを再調整する必要性が生じる場合があります。

　・治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合わせに変化が生じる可能性があります。また、加齢や

　　歯周病などにより歯並びや咬み合わせが変化することがあります。